”海外駐在員”という言葉は聞くものの、具体的にはどういう仕事をしていて、どういう人がなっているのか、なかなか分からないものです。今回は海外駐在員としてのリアルな働き方・仕事の内容を紹介させていただきます。海外駐在員の働き方は、個々の業界や企業によって異なりますが、一般的な経験などをお伝えさせていただきます。
1.文化の適応と言語習得
海外駐在員は、異なる文化や言語に適応する必要があります。現地の文化や習慣を理解し、それに対応するための努力が求められます。また、英語のみならず、現地の言語を学ぶことで、コミュニケーションを円滑にすることが重要です。
2.業務内容
海外駐在員の業務内容は、本国の戦略や目標を現地で達成することが主な任務です。これには、現地市場の調査や競合分析、現地でのパートナーシップの構築などが含まれます。企業がその地域でのビジネス展開の戦略を立てるための情報を提供します。現地での目標数字達成だけでなく、また、新規顧客の獲得や現地パートナーとの連携を通じて、ビジネスを拡大する役割を果たします。これには、営業活動やネットワーキング、交渉などが含まれます。
さらに海外駐在員は、駐在先の地域の法律や規制を遵守することが求められます。これには、税務、労働法、輸入・輸出規制などの理解と遵守が含まれます。現地法人でのリーガルと協力して、取組内容に問題がないか目を光らせる必要があります。日本での商習慣では良くても、現地ではダメなこともあります。
また、多くの場合、海外駐在員は、現地のチームをサポートし、管理する役割を担います。これには、業績評価、トレーニング、労働問題の解決などが含まれます。
海外駐在員は、本国の本部と現地での活動を調整し、情報や報告を提供します。これにより、本国と駐在先の間でコミュニケーションが円滑に行われます。企業によっては、日本からの出張者のアテンドが必要な場合があります。
海外駐在員は、現地でのリスクや危機に対応するための計画や策定を行います。これには、安全対策や緊急時の連絡先の確保などが含まれます。
3.移動と滞在
海外駐在員は、頻繁に国を移動することがあります。任期は数年から数年半に及ぶ場合があります。このため、家族や個人の生活を考慮しながら、滞在先での生活を整える必要があります。
4.ストレス管理とワークライフバランス
海外駐在員は、新しい環境や挑戦に対応しながら、ストレスを管理し、ワークライフバランスを保つことが重要です。これには、健康習慣の維持や趣味やレジャー活動への時間の割り当てが含まれます。
5.休暇や休息
駐在員の労働条件は、派遣先の国の労働法や労働契約に基づいて定められます。これには、法定の休暇日や有給休暇などが含まれます。例えば、ヨーロッパの国々では、法定の有給休暇が比較的多いことが一般的です。
また、企業によっては、海外駐在員に対する特別な休暇制度を設けていることがあります。これには、本国からの帰国休暇や海外駐在員向けの特別休暇が含まれる場合があります。また、長期の駐在期間には、一定期間ごとの休暇やフレキシブルな休暇制度が提供されることもあります。
ただし、業界や職種によっては、業務の性質や緊急性に応じて休暇の取得が制約されることがあります。特に、プロジェクトの進行や重要な業務がある場合は、休暇を取得するタイミングが限られることがあります。
駐在先の文化や習慣によっても休暇の取得の慣習が異なります。一部の国では、夏季や冬季の長期休暇が一般的であり、その間はビジネスが停滞することがあります。
海外駐在員の責任者としての立場では、業務の性質や駐在先の状況によっては、休暇を取得しにくい場合があります。これは以下のいくつかの理由によるものです。
- 責任の重さ: 海外駐在員の責任者は、現地でのビジネスの成功やチームの管理に責任を持っています。そのため、常に業務の進行やチームの状況を把握し、必要に応じて対応する必要があります。このような責任の重さから、休暇を取得することが難しくなることがあります。土日も働く必要がある、ということは珍しくありません。ただし、そこで成果を出せば、会社からより評価されるため、良し悪しがあります。
- 業務の急な変化: 海外駐在員の業務は、時に予測不能な変化や緊急事態に対応することが求められます。急なビジネスチャンスや危機管理の必要性により、休暇を取得するタイミングが限られる場合があります。
- チームのサポート: 責任者として、チームのメンバーのサポートや指導が求められます。休暇中に何か問題が発生した場合、適切な対応ができるように常に連絡可能である必要があります。
- 業界や地域の習慣: 一部の業界や地域では、長期の休暇を取ることが一般的でない場合があります。特にビジネスが盛んな地域では、休暇を取ることがビジネスのペースに合わない場合があります。
ただし、企業や地域によっては、適切なバランスを保ちながら休暇を取得することができる環境が提供されることもあります。良好な労働条件や柔軟な労働文化を持つ企業や地域では、責任者でも十分な休暇を取得することができるでしょう。
総じて言えることは、海外駐在員も普通の従業員と同様に休暇を取得する権利がありますが、その取得の方法やタイミングは、多くの要素に影響されます。
海外駐在員が担当する役割や地域によって異なりますが、一般的には、現地でのビジネスの成功に向けて様々な活動を行うことが求められます。
海外駐在員としての経験は、専門知識やスキルの向上だけでなく、個人的な成長や多様な視点の獲得にも貢献します。