日本企業がグローバル展開してから、50年以上経っています。日本人の海外駐在員の数は増加を続けており、現在では、全世界で82万人もいると言われています。コロナ禍が終わり、昨今、企業も海外へのビジネスの機会を増やしています。そこで改めて海外駐在員を目指す人に対して、どのような人が海外駐在員として、相応しいのかを簡単に紹介していきます。
目次
1.豊かな異文化体験がある方
まず、何と言っても、海外駐在員は、異なる文化や価値観に適応し、異文化コミュニケーションを円滑に行える必要があります。異文化に対する興味や尊重がある人が向いています。異文化適応能力と言えるでしょう。
この能力は特に海外駐在員として、新しい文化で生活し、働く際に重要です。これは、新しい習慣、価値観、慣習に適応し、尊重する能力を指します。例えば、異文化に適応する際には、食事習慣、宗教、習慣などを尊重し、学び、適応できることが求められます。
日本からあえて海外で働く、ということはその国の文化や考え方、習慣などを尊重する必要があります。「郷に入っては郷に従え」ではないですが、その国のことを理解しようとする姿勢が周りの方の信頼を勝ち得る近道でしょう。
2.言語スキル(もしくは学ぼうとする姿勢)
また、海外駐在員が現地の人とコミュニケーションを取るために、ビジネス英語を取り扱えることはもちろんですが、駐在国の言語を話す能力は非常に重要です。現地の言語を話すことで、コミュニケーションがスムーズになり、文化に適応しやすくなります。これには、基本的な日常会話からビジネスコミュニケーションまでを含みます。現地の言語を話すことで、現地の人々とのコミュニケーションが円滑に行えます。
私も現地の言語を積極的に話すことを意識したら、それだけで周りの人が親切に色々と教えてくれるようになった経験があります。外国人の方でも、日本語を一生懸命に勉強していると、とても親近感が湧くのと同じなのかもしれません。
3.柔軟性
海外駐在員として、また重要なのが、環境や仕事の変化に適応し、柔軟に対応できる必要があります。予測できない状況に対処し、新しい状況に順応できることが求められます。海外駐在員は、日本とは異なる状況に対応できる柔軟性が求められます。これは、予測不可能な状況に適応し、新しい状況に対処できることを指します。例えば、突然のスケジュール変更や緊急事態に対処できる柔軟性が必要です。
海外駐在員として行くからには、ある程度、予測できないことが起きる前提で、気構えておくと良いでしょう。急なことが起きても、急なことが起きるには仕方ないこと、と割り切って、次にどのようにするのか、どう対処するのか、を瞬時に考えるようにしておきましょう。
4.対人スキル
異なる文化背景の人々とのコミュニケーション能力が重要です。他の人と協力し、調整能力があることが大切です。これには、リーダーシップ、協力、交渉、コンフリクト解決などが含まれます。異文化での効果的なチームワークが求められます。
日本でもそうですが、転職後、異動後などは、「この人はどんな人なのだろう」と見られます。能力はもちろんですが、性格なども含めて見られるでしょう。海外駐在員ももちろん例外ではありません。赴任後すぐに現地のメンバーから、そのような目で見られます。今までの積み重ねでしかありませんが、海外駐在員として行く前に、これらのスキルを意識して伸ばしておくと良いでしょう。
5.国際ビジネス知識
海外駐在員は国際ビジネスに関する知識を持っていることが望まれます。異なる市場や規制についての理解が必要です。これには国際貿易法、税制、規制、市場トレンドの把握などが含まれます。
6.ストレス耐性
海外駐在員は、新しい環境でのストレスやプレッシャーに対処できる強いストレス耐性を持っていることが求められます。新しい文化や環境への適応に伴うストレスを管理できる能力が必要です。ストレス耐性をつけるために、以下のことを確認しておくと良いでしょう。
- 適切な時間管理: スケジュールを管理し、タスクを適切に優先順位付けることで、ストレスを軽減できます。効果的な時間管理は、締切りを守るのにも役立ちます。
- 適切な休息: 十分な睡眠を確保し、定期的な休息を取ることはストレスの軽減につながります。睡眠不足はストレスの原因となりますので、適切な休息を心がけましょう。
- 運動と健康的な食事: 適度な運動はストレスを軽減し、健康的な食事は体の抵抗力を高めます。バランスの取れた食事と運動を習慣にしましょう。
- ソーシャルサポート: 友人、家族、同僚とのコミュニケーションや相談は、ストレスの軽減に役立ちます。感情を共有し、サポートを受けることはストレスに対する効果的な対処法です。
7.組織力
駐在国での生活や仕事を効率的に管理するための組織力が必要です。これには、スケジュール管理、財務管理、文書管理、タスク管理などが含まれます。
異文化理解やストレス耐性については、現地に行って伸ばすことが想定されますが、この組織力については、日本にいる頃から伸ばすことができます。しっかりと自分自身で意識して、日本で仕事のスキルを身に着けて、海外駐在員として赴任された際には、十分に力を発揮することができます。
8.熱意と献身
海外駐在員は、仕事に対する熱意や献身を持っていることが大切です。新たな挑戦に積極的に取り組む姿勢が求められます。困難に立ち向かい、成功を追求する熱意と献身が必要です。
海外駐在員は、現地メンバーからは本社の姿勢、本社の考え方を学ぼうとします。そんな中で働くためには、日々、自分の背中で見せることが求められます。常に見られている、ということもそうですが、自身の成長のためにも、海外でしか、できないことがあるでしょう。後悔しない赴任生活を送るためにも、日々、新たな挑戦をすることが求められます。
9.課題解決能力
問題が発生した場合、即座に対処できる能力が必要です。効果的な課題解決能力が求められます。スムーズな業務遂行に不可欠です。
10.適切なメンタルおよび身体的健康
海外駐在員は、健康な体とメンタルヘルスを維持できる必要があります。異文化での生活はストレスを引き起こすことがあるため、健康状態を管理することが大切です。のため、健康な体とメンタルヘルスを維持できることが大切です。適切な休息とストレス管理の方法を知っていることが重要です。
ここで紹介したスキル、特徴は一部ですが、海外駐在員に向いている人に必要なものです。ただし、個々の職務や駐在地によって要求されるスキルや特性は異なる場合があります