海外駐在員になれば給料が高くなる、ということで、海外駐在員になりたい、という方も多いのではないのでしょうか。今回は海外駐在員になることで、なぜ給料が高くなるのか、という理由と給料以外のメリットである福利厚生を代表的なものと合わせてご紹介させていただきます。
1.高い責任とリスク
一番の理由はやはり「高い責任とリスク」です。海外駐在員は通常、本国から離れて業務を遂行し、新たな環境で多くの責任を負います。これには文化の違いや法的・政治的リスクへの適切な対応が含まれます。そのため、高い給与で駐在員に対するリスク補償が行われることがあります。
基本的には、駐在先では管理する立場にあります。最終ラインとしての役割が求められ、日本でいた時よりも、大きい責任を抱えることが多いです。また、日本で普通に生活するよりも、海外で生活することはやはり、リスクが伴います。旅行とは違い、期間も長くなることから、その分リスクが増える可能性が高まります。
2.困難な生活費用
一部の駐在地では、日本で生活するよりも、生活費用が高いことがあります。海外駐在員は通常、高い住宅費、学校教育費、海外生活の諸費用などに対処しなければなりません。そのため、高い給与が提供され、適切な生活水準を維持できるようになります。
3.家族の支援
海外駐在員の多くは家族を連れて海外に駐在することがあります。そのため、家族の支援と生活コストをカバーするために高い給与が必要です。
4.海外駐在員としての高い市場価値
一部の産業や分野では、海外駐在員に対する需要が非常に高いため、高給与を提供することで競争力を維持しようとします。特に、特定の専門職やエグゼクティブ職において高い市場価値があります。駐在員の経験、専門知識、資格、スキルレベルに応じて給与が変動することがあります。経験豊富で専門知識を持つ駐在員は通常、高い給与を受けることができます。
また、業界や職種によって給与水準が異なります。一部の専門職やエグゼクティブ職は高給与が一般的であり、海外駐在員にも高い給与が提供されることがあります。
海外駐在員に選ばれる、もしくは、海外駐在員になる能力がある、ということはそれだけで市場価値が高くなります。
5.税制度の影響
一部の国や地域では、外国での所得に対する税制度が特殊な場合があります。これにより、駐在員に対する税金が軽減され、実質的な手取り給与が高くなることがあります。
上記では、代表的な要因をあげております。結局、海外駐在員の給与は多くの要因に影響を受け、業界や駐在地によっても大きく異なります。企業はこれらの要因を考慮し、駐在員に対して競争力のある給与パッケージを提供することで、専門的なスキルを持つ人材を確保しようとしています。
ここからは海外駐在員に選ばれた際の代表的な福利厚生をご紹介させていただきます。
- 住宅手当: 海外駐在員はしばしば新しい国や都市で住宅を見つける必要があり、そのための手当が提供されることがあります。これは賃貸アパートメントや住宅ローン支援などを含むことがあります。
- 教育手当: 駐在員が家族を連れて海外に駐在する場合、子供の教育費用をカバーするための手当が提供されることがあります。これには学校授業料、教材、私立学校の選択肢、英語教育などが含まれます。
- 医療保険: 海外での医療費用をカバーするための健康保険が提供されます。これには一般的な医療サービスや緊急時の対応が含まれます。
- 退職年金プラン: 駐在員はしばしば企業の退職年金プランに加入できます。これにより、将来の退職時に収入の安定が保障されます。
- 語学研修: 駐在先の言語を学ぶための語学研修が提供されることがあります。これは、コミュニケーション能力を向上させ、駐在地での適応を支援するためのものです。
- 現地サポート: 駐在員はしばしば新しい文化や環境に適応するのに助けが必要です。したがって、駐在地での生活に関するアシストやコンシェルジュサービスが提供されることがあります。
- 旅行費用: 駐在員は帰国訪問や休暇を取る必要があるため、帰国費用や休暇関連の手当が提供されることがあります。
- 安全対策: 一部の駐在地は安全の懸念があるため、安全対策や危機対応のサポートが提供されることがあります。
- 家族のサポート: 駐在員の家族にも支援が提供されることがあります。これは配偶者の就業支援、子供の学校選択、家族向けの医療保険などを含むことがあります。
- 税務支援: 国際的な税制度の複雑さを考慮し、駐在員に税務支援を提供することがあります。
ご紹介させていただいた内容はあくまで一部となりますが、例えば、教育手当などは、駐在員の方だけでなく、家族の方が学ぶための費用を負担している場合も少なくありません。また、多くの企業では、ホームヘルパーやドライバーなどがいるケースが多いため、日本で生活するよりも、生活水準が高い、ということがあります。
これらの要素は、駐在員とその家族が新しい環境で成功し、適応するための支援を提供するための福利厚生パッケージの一部、という考え方です。
企業や組織は、駐在員による貴重な貢献を評価し、彼らが快適に生活できるようにするために、福利厚生を提供することが一般的となっているようです。自身が入りたい会社がどの程度、海外駐在員に対して、手厚い対応をしているか、という点も入社前に確認しておくと良いかもしれません。