憧れの海外駐在員になって、何の準備もしない訳にはいけません。海外駐在の前に慎重な計画と準備が現地での成否を分ける、と言っても過言ではありません。今回は海外駐在が決まってから、現地に行くまでに必要な準備の内容を10個ご紹介させていただきます。
1.ビザと許可の取得
何と言っても一番重要なのが、目的地国での滞在に必要なビザや許可を取得することです。必要な手続きを始めましょう。これは、出国前に済ませる必要がある重要なステップです。以下の手順で進めましょう。
- 目的地国の要件を調査し、適切なビザタイプを特定します。
- 必要な書類や申請手続きに必要な情報を整理し、ビザ申請を提出します。
- ビザの取得には時間がかかることがあるため、余裕をもって取得を計画します。
ビザと許可の取得は一番大事なステップと言っても過言ではないため、最優先で取り掛かることをお勧めします。
2.住居の手配
海外での滞在中の住居を手配し、家賃や契約条件を確認しましょう。住宅の選択は生活の質に大きな影響を与えます。会社が用意してくれることもありますが、そういった場合でも、周辺環境の確認をすることで、あまり気に入らなければ、自分で探して、会社と交渉する、なども考えることができます。自分で見つける場合は以下の手順で進めると良いでしょう。
- 目的地国での住居の種類(アパートメント、住宅、シェアハウスなど)を選択し、場所を特定します。
- 予算やアメニティ、交通アクセスなどに合った住居を選び、契約条件を確認します。
- 事前に住居の写真や詳細を取得し、入居前に確認できるようにします。
日本と違い、一度決めたら、海外だと家を変える、ということ自体のハードルが高くなります。そのため、長く住む、あるいは海外駐在期間はそこに住む、ということを前提に選ぶ・準備することをオススメします。
3.言語の学習
目的地国の公用語が異なる場合、その言語を学び、コミュニケーション能力を向上させるための努力を怠らないようにしましょう。具体的には、以下のような準備が考えられます。
- 目的地国の言語を学ぶための言語学校やオンラインコースに登録し、言語スキルを向上させます。
- 現地の言語教材やアプリを利用して、日常的な会話能力を向上させるための努力を行います。
外国人の方が日本語を学んで、一生懸命に話しかけてくれると嬉しくないでしょうか?逆も然りです。我々が拙い言葉でも、一生懸命に相手の母国語で話して、コミュニケーションを取ろうとすることはそれだけで認めてもらえることに繋がります。
4.保険
事前にこの記事を読まれているような方ならば、大丈夫だとは思いますが、健康保険や旅行保険、賠償責任保険などの保険について調査し、必要な保険を取得しましょう。万が一の緊急事態に備えることが重要です。具体的には以下のステップで進めると良いでしょう。
- 健康保険、旅行保険、責任保険など必要な保険について調査し、適切なプランを選択します。
- 保険証書や連絡先情報を携帯し、必要な場合にアクセスできるようにします。
海外での生活は慣れるまで、住むということだけで今までと違ったイレギュラーになります。そういった環境ですから、何が予期せぬことが起きても不思議ではありません。万が一に備える、という意識を持ち、実際に行動に起こすことが重要となります。
5.文化の理解
目的地国の文化や習慣について学び、適応力を高めましょう。文化の違いに対処するための知識が大きな助けとなります。初めのうちは、言語を覚えることもその一つでしょう。それ以外の方法としては、以下のようなことも考えられます。
- 目的地国の文化や習慣について本やオンラインリソースで学び、文化適応力を向上させます。
- 地元の人々と交流し、異文化交流の経験を積むことを励行します。
外国人の方も、自分たちの国について、学ぼうとしている人に冷たくすることはほとんどありません。積極的に学ぼうとする姿勢を見せることはそれだけで価値があるでしょう。
6.金融面の計画
銀行口座の開設、通貨の取引、海外での銀行手続きなど、金融面に関する計画を立てておきましょう。ビザ申請も大切ですが、このステップも重要です。海外駐在員となって、身体一つで行く、というだけでは、海外駐在員として活躍する、ということは難しいでしょう。しっかりと経済面でも安心できるように準備を進めておくことをオススメします。
- 銀行口座を開設し、現地の通貨での取引を可能にします。
- 通貨の為替レートを追跡し、外国為替市場で資金を効率的に管理します。
国によっては、銀行口座開設など時間がかかることがあります。ビザと同様、必ず予め余裕をもって調べることを強くオススメします。しばらくはカードで生活する、という方も多いと思いますが、カードを紛失したりするケースも考えておかなければいけません。
7.健康と医療
目的地国での医療制度や予防接種の要件について調査し、必要な健康管理を行いましょう。緊急時の医療対応策も把握しておくことが重要です。自分一人ではなく、家族も同伴する場合、身の回りの環境もしっかりと調べておき、全員で確認しておくことが必要となります。具体的には以下のようなことをする必要があります。
- 健康診断を受け、必要な予防接種を受けます。
- 目的地国での医療制度や緊急医療サービスについて情報を収集し、必要な医療施設を特定します。
健康は働く上で必須の能力・スキルです。自身だけでなく、家族同伴する場合、家族の健康もしっかりとケアできるように事前に調べておくことが大切です。
8.カルチャーショックの対策
カルチャーショックに対処するために、心の準備を行い、ストレス管理の方法を学んでおきましょう。具体的には以下のようなことをしておくと良いでしょう。
- カルチャーショックに備えて、心の準備をし、カウンセリングやサポートを受けることを検討します。
- 文化的な違いに対処するためのコミュニケーションスキルやストレス管理の方法を学びます。
私は海外生活始まった時、あまりに自分の英語が通じなくて、閉じこもってしまって、閉じこもった期間を棒に振ったことがありました。今思い返しても、何ともったいないことをしたのだ、と思いますが、当時の自分はとにかくネガティブになっていました。私のようにコミュニケーション部分で躓くこともあれば、人間関係あるいは、全く異なる価値観に付いていけない、ということがあるかもしれません。そういったときにストレスを上手く緩和させる方法を学んでおくことは、カルチャーショック対策に留まらず、この先の人生にとっても良いと思います。
9.仕事関連の事項
職場での役割や責務に関する情報を把握し、必要な設備や文書を整理して持参しましょう。また、目的地国での仕事に関連する法的な規定についても理解しておくことが重要です。
- 目的地国での仕事に関連する法的な規定や契約条件を理解し、必要な文書を整理します。
- 必要な職場ツールや装備(コンピューター、ファイル、プレゼンテーション資料など)を整備し、バックアップを取ります。
海外駐在員として、これらの準備をする方は多いと思います。これに加えて、使用するスマホやPCなども念のため、予備を持っておく、などを検討してみても良いかもしれません。以前、私の友人で、海外に着いた途端に使おうと思っていたPCが、その国では湿度が高過ぎて、日本から持ってきたPCが対応できず、すぐに故障してしまって、出だしから躓いた、ということを目の当たりにしたことがあります。
10.連絡先の整理
緊急時のために重要な連絡先(大使館、緊急医療、現地の緊急サービス、家族、同僚)を整理し、アクセス可能な状態に保ちます。
初めの内はバタバタでやることが多く、後回しにしがいがちかもしれません。逆に初めにやっておくことで、いざ、という時にすぐに連絡できるようになるので、やることは多いのですが、最初にしっかりとあらゆる場面を想定して、連絡先を整理しておくことをオススメします。
これらの準備作業は、海外駐在員としての生活を円滑に進めるために非常に重要です。事前の計画と調査が、潜在的な問題の解決と快適な滞在に大いに役立つでしょう。海外駐在員としての生活をスムーズに進めるために不可欠と覚悟して、最初にしっかりと準備したこと・計画的なアプローチと情報収集が、安全で成功した駐在生活を実現するのに役立ちます。